【report - 野獣他、フュージョン関係のレポ】





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茶屋町吾郎さんのレポートです。ありがとうございます。

■1997年7月20日
TOKYO JAM at 日比谷野音

 その日、三番手のバンド、スクエアが最後の曲のを演奏し終わったとき、日比谷野音の客席を埋め尽くした4千人は、次にどんなことが起こるのか見当が付かなかっただろう。午後4時に始まったこのライヴもこのとき、まだまだ宵の口とも言えない8時前だった。「“お約束”の全員でのセッション以外にも何かあるはずだ」、そしてバンドごとにステージ替えが出来ないため、出演ミュージシャン全員の楽器や機材で埋め尽くされたステージのなかにまだ誰もその前に立っていないマーシャルのモニター・スピーカーがあるのを僕はさっきから気になっていた。立ち上がって拍手をする観客の声援を受けながら、スクエアのメンバーが舞台そでに引き上げると、この日の総合司会を任されたカシオペアの向谷さんが出てきた。「えー、これでレギュラー・ステージのほうのは全部終わったんですけど、これから先はスペシャル・ステージとなりまして、なにやるかというと…」などと喋っていると、もうひとりの総合司会のスクエアの和泉さんがようやく登場。しかしというか、なんというかコントに使うような大仏のお面のかぶりものを付けて出てきたのである。唖然とする向谷さんは、「えー、あなた誰ですか?」と問いただすと和泉さんは笑いを堪えて「だ、大仏です…」と答えを返す。「最近、スクエアって、そんなことしてんの!?」と言って驚くも、「えーじゃ、この大仏さんがスペシャル・ステージ第1弾でいいや(笑)」なんてかわして先を進める。「へっ!?」とかぶりものを脱いで汗だくの和泉さんを後目に。やはり喋りに関しては何年経っても向谷さんが一枚上手だ
 第2弾として(ほんとは第1弾なんだけどね)登場したのは、メロディ楽器が誰ひとりとしていないツイン・ドラムとスリー・ベースの編成によるセッション、その名も「リズム隊だよ全員集合」。櫻井さんのオリジナルで<CLUB WIRED>を演奏し始める。メロディこそベースの3人はちゃんとやっていたのだが、ソロに入ると櫻井さんが仕掛けた!。お得意のモントゥーノからナルチョを意識したお行儀悪いソロを弾いてくる。ナルチョはそれを見て仰け反りながら笑うも、本家の意地か!? 櫻井さんよりさらに数段上手くお行儀悪いソロをとる。観客もここまでやってくれると、もう笑うしかない。ただ、それもその後にスクエアの須藤さんも続いてしまった。あぁ、今後の日本のベース・シーンが心配だ…(笑)。アヴァンギャルドな演奏が終わると、またまた総合司会のふたりが出てきて、3人のベースに対してあきれたというコメントもそこそこに、この日最後のミュージシャンを紹介。「コレカタッ、ヒロクニー」と名前を告げると同時に客席から驚きの歓声が湧く。それもそのはず、当初の予定にはなかった人物だからだ。「いやぁ〜、待たされました!」という第一声に是ちゃんは、おなじみのストラトを抱えて登場。カシオペアの野呂さん、スクエアの安藤さん、そして是ちゃんと揃えば、そう、あのバンドが復活。オットットリオが最後のバンドとして登場!。4年前に是ちゃんのライヴのなかの1コーナーで3人が揃ってやったものの、こうして復活したのは89年の名古屋のスーパー・フュージョン以来、8年ぶり。1曲目は昔と変わらず<BOYS BE AMBITIOUS>でスタート。でも、なにせ8年ぶりだから少しはトチる。是方さんは苦笑いをし、安藤さんは焦り顔、そして野呂さんは知らんぷりと、いつもの個々のステージと変わらずに三人三様なのがオカシイ。MCにはいるとまずは是ちゃんがマイクを取って「みなさん、オットットリオって覚えとりましたぁ!?」と観客にふり、強引にマイクを持たせた口下手な安藤さん相手に、しばし昔話になる。9年前に出したライブ・アルバムの話になると安藤さんは「いやぁ、あのアルバム嫌いなんですよ、あのときの僕のギター、スゴイ下手なんだもん」と問題発言。是方さんが「何を言っているんですか、またまた、ご謙遜を!」とフォローするも、安藤さんはマズイと思ったのか、「野呂クンもなんか喋ってよ」と慌ててマイクを渡し、野呂さんは野呂さんでなんの脈略もない話を平然と始める。あー、あの頃と全然、変わっていない。2曲目はその安藤さんのオリジナルでオットットリオの『HOT LIVE』に収録されていて、後にソロ・アルバムでもセルフ・カバーされている<MR.MOON>。氏の作る曲は、いつもロマンティックだ。残念ながら、この夜は野音の空からその「MR.MOON」は見えなかった。それでも、虫が鳴く音と甘いトーンのギターの音が混ざり合ってなんとも言えない野外ならではの雰囲気を醸し出す。これからの季節に映える曲だ。結構、酔いしえるその曲が終わり、今度は是方さんに代わって野呂さんがあの口調でMCを担当する。「次は最後の曲になっちゃったけど」と言うと客席から「えーっ、もっとぉ」なんて惜しむ声が所々からあがる。野呂さんは、すかさず「まだ、この後もあるのっ」と含み笑いを浮かべて返すとその客席から笑いがこぼれた。野呂さんと安藤さんのオリジナルが続き、そうくれば最後の3曲目は是方さんのオリジナルだ。オットットリオのなかでも人気が高い曲で僕のもっとも好きな曲、<GUITAR CUBIC>が始まる。もう、僕はなにがなんだか分からなくなっていた。バックのメンバーには野呂さんの横で櫻井さんがベースを弾いているし、頭のなかは嬉しくって混乱しっぱなしだった。オットットリオが終わると“お約束”の全員参加の大セッション。曲は誰の持ち曲でもないという<GET BACK>。不覚にも僕はこの曲をどういうふうに演奏していたのかを思い出せない。次に覚えている瞬間には、オリジナルのビートルズのをBGMに終演のアナウンスが鳴っていたことだ。そしてそこには、いつもこんな夢ばかりを見てきたあの頃の僕がいた。いまの僕が彼に気付いたことを知ると彼はこう尋ねてきた、「今日は楽しかった?」。僕は「もちろん!、だってこういうのやるのをずっと待っていたんだから」と答えた。それを聞くと彼は「ボクもだよ」というような笑みを返して出口へ向かう観客の雑踏のなかに消えていった。今日観てきたことは、すべて現実だったのだろうか。ただ、いまとなっては、それを振り返って確かめることが出来る術を持たない。「真夏の夜の夢」と言ってしまえばそれまでだが…。

Dedicated to TOMOMI , right from the heart.





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