庚さんのレポートです。ありがとうございます。
■1997年3月19日
野獣王国 at 小牧スクラッチ
メンバー:東原力哉(Dr.)、是方博邦(G.)、鳴瀬喜博(Ba.)、難波弘之(Key.)
どーでもよいあれこれ話その1
いきなり突発仕事なんぞも入りやがって、なかなか退社できず、名鉄小牧駅に到着したのが大体……7時30分頃。でもってタクシー代大枚はたいて¥1,500-。やっとの思いでたどり着いた会場は既に満員。テーブル席は完全に埋まり、ステージが見える位置のカウンター前も全て、人、人、人……。
しまった……と思いつつ周りを見渡したら、案の定、相棒が場所を確保しておいてくれてました――ってもカウンターの一番奥、ステージすら見えない位置だったりして(要は。近場に職場のある人間etc.に美味しい席、全て確保された後だった……というワケ)。改めて会場を見渡すと――納得。ここ、1階部分がプール・バーで、2階へと続く狭い鉄製の階段を上った先がライブスポット……という構成の建物。人垣に伸び上がって見たステージ、ホント狭かったっす。よくあれだけの機材(敢えて誰の……とは申しませんが)、乗っけたよな……と感心してしまった程。ステージ向かって下手位置には厨房&カウンターが伸び、どちらかと言えば、「お酒を飲ませながら生音楽を聴かせる」タイプのライブハウス。見回したところテーブル席もスタンディングのカウンターも、グラスに皿が並び、皆さん、飲みながらメンバーの登場を今か今かと待っている状態。
こうした状況把握をした私を見て相棒がニヤリ。「踊れるだろ、ここなら」。……そうなんです。今回の『野獣王国』ライブツアーでの我々の野望はただ一つ。「一度でいいから踊りまくりたい!」――普段、名古屋のド真ん中、ダイヤモンドホールでの場合、とにかく最前テーブル確保。それも我らが敬愛する難波“鍵盤帝国皇太子殿下”弘之氏の前に陣取っている手前、立ち上がって踊るなんて言語道断。でも、『野獣王国』のノリのいいナンバー、座ったままリズム取るだけ……って、かなりの苦痛だったのだ。しかし、これなら、ぶつかりさえしなければ何をしても、OK、っつーワケで。わくわく、わくわく……。
真面目なライブのお話
沸き上がる大歓声に慌てて首を向けると何と、先刻私が上ってきた階段をメンバーの皆様が上ってくる真っ最中。をいをい……と思ったのは皆、同じらしく、メンバーが定位置についてもなかなか「さあ」という気にならない(笑)。いささか調子の
外れた力哉さんのカウントで始まったのが御馴染み、『GOLD RUSH』。マジで全然ステージが見えないことをいいことに踊りまくるバカ二人(笑)。既にキーボードソロで首をブン回し、絶好調!すいませんねー……。
『鉄腕アトム』と続いてご挨拶の是方センセイ。恒例『各メンバープロモーションタイム』。相変わらず忙しいメンバー。特に、「書く方」の締切りが近い難波氏、リハーサルもそこそこに、原稿用紙に向かっていたそうな(「このツアー中に送らないとまずいんだよねー」)。でもここで「7月15日、『ダイヤモンドホール』で『野獣王国』やります」の告知。やったね!
続く曲もノリの良いもの中心で『Z-PARADISE』に『DIMENSION TRAVELER』。どちらもCD以上にテンションが高く、テンポの速さに必死の形相で弾き終えたナルチョ曰く、「こんな曲(『DIMENSION TRAVELER』)で、踊れる奴、いるわけねーよな」――「はーい!」と手をあげるサル二匹(笑)。
ここでいつもの漫談……あわわ、MCタイム。今回の11本にも及ぶツアーの初日……と言うことで「そんなにやったらMCのネタがなくなるんじゃないの」。「いや大丈夫。ただ、下ネタにどんどん走るかもしれないけど」――確かに。力哉さん曰く、「ホント、単なるオバチャンの会話やで、このまんまいくと」――既に某雑誌で書かれてたような気が……。
本日の雑談(笑)の中心は、流行最先端は花粉症の話。是方センセイ、完全に花粉症だそうで、「弾いてる最中、ハナたれてきそうで困るんだよね……」「そらあかんわ。スローな曲で気持ちよーく弾いてたら、ハナたれてたりして」――やめてくれ。百年の恋も覚める(笑)。明日、ヤバそうになったら即、ポケットティッシュ、投げてあげようかしらん。
ひくひくしまくる頬と胃にはお構いなく、打って変わって今度はムーディな曲の連発。『TEARS OF MERMAID』『ペンギンの初恋』『哀愁のクジラ』。これはこれで……グラス片手に、タバコふかしつつ、全身ゆらゆらさせながら聴く心地好さと言ったら、“カンドー”以外の何物でもありませんでした。普段じゃ絶対、やれないことだもんね。酒は多少口に運ぶけれど、タバコまでは流石に……。そして、オーダーが入ったのか、そこはかとなく漂う、ポップコーンの香りにピザの乗った皿を運ぶお姉さ
んの姿――こっちの方が、笑える。終わってナルチョ一言「ついつい気になってそっちに目、いっちゃってさぁ」。
そんなナルチョ、次の『PURPLE SAURUS』で、力哉さんのドラムソロ・別名「野放しコーナー」がたけなわにさしかかった頃、ステージに続く扉から厨房に顔を出し、缶ビールを1本、せしめていかれました。瞬間的に喚声の上がるカウンター周辺……やっぱり、『常連組』は皆さん、テーブルに付けず、カウンター周辺にいたようで。MCの反応も下手後方(笑)が一番、反応よかった位だから(私たちだけじゃありません、念の為)。
そして最後は今度はナルチョ野放し状態の『NOW OR EVER』――先刻も書いたようにこの会場、とにかく人で満員。テーブル間の通路も、とてもじゃないけれどベースぶら下げて歩けるような空間は全くなし。「どうでるか……」とは常連組、皆思った事でしょう。しかし我らがナルチョ、やってくれました!掟破りの『必殺・テーブル渡り』!当然、各テーブル、グラス・皿etc.が置いてありまして、ちょっとやそっとじゃ動けない(笑)。それを、時にはベースのヘッドで「ちょっとどかして」とジェスチャーしながら、結局会場の一番後ろのシートまで渡ってしまったのには……カッコ良すぎるぜ!
結局……私たち、「ライブ中」に限って言えば、まともに見たの、ナルチョだけでした(笑)。
どーでもよいあれこれ話その2
何だか分からずにアンコールも終了し(何てったって、一旦ステージから下がる余裕もない……)、三々五々散り始めるお客様。中には、そのままテーブルに陣取り、飲み続ける人たちもいて、なーんかカッコよかったっす。如何にも「この店の常連」って感じで。
そうしてまたあの、狭い階段をとんとん降りてきた私たちが目撃したものは……ビリヤードプールの辺りにそれぞれ、衣装ケースを開けたり、なにやらごそごそやっているメンバーの皆様──ここ、楽屋自体も、殆どないに等しいらしひ(笑)。相棒なんぞ、衣装ケースに頭を突っ込んでいた力哉さんに「冷えてませんけど……」と缶ビールを渡そうとしたら、既に「持ってます」──手にはしっかりバドワイザー!流石だ。(結局手渡そうとしたラガー缶にサインを貰う相棒……)
無事にいつもの恒例行事、難波“鍵盤帝国皇太子殿下”弘之氏のご尊顔を拝し、我々臣民からの貢ぎ物(当然日本酒♪)を手渡し、一言二言言葉を交わすこともできて、今日もハッピー!素直に帰ろうとしたのではありますが──良く考えなくても今回のニュー、あの名曲『スパイ大作戦のテーマ』が入ってなかった!これは直訴するっきゃない……と、丁度固まっていたナルチョ&是方センセイの処へ。「わかった、考えとくわ」の一言にやっと落ちつき……「おらおら〜、終電まであと10分っきゃねーぞっ!やっぱウチに泊まってけ(相棒宅は隣接の江南市)」「やだ、とにかく自宅へ一旦戻る!」てんやわんやの末、帰途についたのでありました。
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