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茶屋町吾郎さんのレポートです。ありがとうございます。
■1997年8月16日
櫻井哲夫ソロプロジェクト「THE 桜吹雪 vol.4」at 六本木ピットイン
メンバー:櫻井哲夫(b,vo)、菅沼孝三(ds)、三沢またろう(per,cho) 野力奏一(kyd)、布川俊樹(g)
印象としては、囁くように歌っているかんじ
まぁ、うわさはいろいろと聞いていた。この前のライヴでは4時間もやっただの、カシオペアのナンバーをカバーしているだのと。僕はなかなか都合が合わずに観に行く機会を逃していた櫻井哲夫のソロプロジェクト「THE 桜吹雪」に、今回ようやく4回目にしてその機会に恵まれた。実は今回もあやうく観に行く機会を失いかけたが、どうしても行きたかったのだ。というのも、この間、その「THE 桜吹雪」に行ってきた人から僕にとっては信じられないような話をいくつも聞かされたからだ。それが冒頭に書いたもので、なかでも極めつけは櫻井さん本人が歌っていると…。だって歌っているんですよ!?。たしかに櫻井さんは、JIMSAKUのステージでも<ALISA>をアルバムに収録されているのと同じようにスキャットで披露しているんだけど、この「THE 桜吹雪」ではニホンゴ、そう、あの日本語で歌っているっていうんです。いくら昔から日本語の歌モノに並々ならぬ意欲があると知ってても、「♪ 潮風まぶしいデッキは〜いーつもパァラァダァ〜イスッ」とライヴで本人が歌っている姿はさすがに思い付いたことなかった(笑)。今回はそれを確かめる意味でも是非とも見逃せなかったライヴであります。
小規模ながら4回目になる「THE 桜吹雪」は北関東ツアーを行い、その初日が六本木ピットイン公演であった。また今回はなんといっても、ドラムに“手数王”の異名をとる菅沼孝三と櫻井さんとの初お手合わせというのが話題。どちらも日本の最高峰に位置するプレイヤーでありながらも「ほんとに合うのかなぁ」なんて内心、僕は心配していたが、そんなことは取り越し苦労。菅沼さんのドラムとはジャストと言っていいくらいにハマッていた。JIMSAKUで櫻井さんと組んでいる神保さんもそうだが、やはり“手数”が多いドラムと櫻井さんのベースは合うらしい。ちなみに菅沼さんによれば、前回の「THE 桜吹雪」でドラムに迎えた村石雅行さんは“手数王子”と呼ばれていて、他にも菅沼さんの生徒で“手数門番”(笑)というのまでいるとのこと。う〜ん、“手数”の世界は奥が深い。
前半は櫻井さんのオリジナルと得意分野のブラジル音楽のカバーをインストでと進めた。中盤に入ったところで、いよいよ“歌のお時間”。櫻井さんとパーカッションの三沢またろうさんだけがステージに残り、いまのところ唯一のソロアルバム『DEWDROPS』から<IN THE DISTANCE>と<REFRESH!>を披露。櫻井さんは愛用の6弦ベースからチェット・アトキンス・モデルのエレアコのギターに持ち替えて歌った。僕が初めて櫻井さんが歌っているのを観たのは、もうかれこれ10年ほど前にカシオペアでタモリが司会の『今夜は最高』というテレビ番組に出演したときだと思う。そのときは照れくさそうに歌っていたが、最近はこなれてきたのか、このライヴでは自信を持って歌っていた。プロのヴォーカリストじゃないし、同一人物だから“激変”とまでは行かないまでも、『今夜は最高』のときでの初々しさが囁くように歌っているかんじにポジティヴに見て取れるように変わった。その姿は日本語なんだけど、なんだかほんとに彼の好きなブラジル音楽を聴いているみたいだ。やけに落ち着いたコーナーが終わると(笑)、客席後方で控えていた他のメンバー達が戻ってきた(それも飲んでて、みんなかなりデキアガっていたりして)。櫻井さんは再びベースに持ち替えて、今度は櫻井さん自ら作詞した<KIMONO>をまたまた歌いながら演奏。この曲はアルバムの中ではベースはそれほど見せ場を感じさせないが、ライヴで再現となると卓越したベース・プレイがビシバシと決まるのがわかる。三沢さんのパッドによる“お囃子”の妙技も加わって、観客もこの曲で不思議と盛り上がって来た。こうなると、この前のライヴでやったという僕の好きな<NIGHT DEW>とか<TENSION>なんかも聴いてみたくなる。でも、この曲で『DEWDROPS』のコーナーは終わり。う〜ん残念、また行かなくては。
それにしても、このライヴは櫻井さんのMCがほんとに長い、長い。とにかく話し始めるとライヴの進行なんておかまいなしでやっていたが、スタッフの誰かと目を合わせたら、「あ、今日はタイトに行かなくちゃならないんですね」と自嘲して、その度に一応は早々に切り上げていたがなかなかは直らない。今夜とくに長かった話は、櫻井さんが昔、野呂さんとカシオペアを結成した頃、ジャズの勉強をしたくて、銀座のサンドイッチ屋さんからこの六本木にあったジャズ・クラブにアルバイトを代えたというお話。それから、そのころの六本木はどうだったかなんてのを延々と話してた。これでも今日は本人、短くまとめたと言うのだから、4時間やったという前のライヴに観客も呆れ返ったというのもわかるような気がする(笑)。さて、クライマックスはJIMSAKUのセルフ・カバーで<I MISS YOU>に続く、カシオペアのカバーでアルバム『EUPHONY』に収録されていた<RED ZONE>。原曲よりもさらにラテンの風味を効かし、ふんだんに各々のソロを入れてきて、曲のタイトル通り、レッド・ゾーンに達して盛り上がる。そのままの勢いで最後の曲は、これまた盛り上げるJIMSAKUで音楽を担当したリポビタンDのCF曲、<YOU CAN DO IT>。「30秒の曲を果たしてどこまで長くできるか!?」なんて櫻井さん言っていて、ほんとに長釈の曲になっていたが、時間なんて感じさせないほどムチャクチャにノれる曲に仕上がっていた。さすがはテクニシャンぞろいのメンバー。意外な展開やMCのオカシサだけがこの「THE 桜吹雪」の魅力じゃないんだよね。ほんとはこれが観たかったんだ。すっかり忘れてた、ハッハッハッ。
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