庚さんのレポートです。ありがとうございます。
■1997年3月20日
野獣王国 at 土岐市バード&デイズ
メンバー:東原力哉(Dr.)、是方博邦(G.)、鳴瀬喜博(Ba.)、難波弘之(Key.)
どーでもよいあれこれ話その1
とにかく……遠かった(笑)。
一応主催は岐阜県土岐市内のライブハウスだったんですが、そこのキャパが無茶苦茶少ない……ということで、土岐郡笠原町という、完全なド田舎に、なぜか建ってる音楽ホールを借りてのライブでございました。相棒が車転がしてくれなくちゃ、絶対行けなかったと……思う(私はペーパードライバー♪)。
でもって、地図の通りに行っても全然場所が分からず、道を歩いている地元民に尋くこと2回。やっと辿り着いた場所はなーんと、お医者さんの隣!
実はこの音楽ホール、音楽好きのお医者さんが道楽で建てたものらしく、建てた時は地元のTVにもニュースとして放映されたのだそう(ライブでしょっ中顔を合わせてたナルチョファン一味の地元だったりしたのだ、ここは)。でも、入って見て……唖然&納得。コンクリート打ちっ放しの構造に木製の音響版。足元は厚手の絨毯……と、音響効果は見るからに最高レベル。お医者さんって、そんなに儲かる商売なんでしょうか……???
しかし、やっぱりそんなホールもプロレベルの方々の演奏用にはできていなかったらしく、楽屋が2階の照明スペースと殆ど共用(っぽかった)。トイレに至ってはホール入口横の1ヵ所しかなくって、私、出てきた処で是方センセイとばったり。どーしよーかと思ってしまったです、はい(で、その次にそのトイレを使用したのは力哉さん……わはは)。
(不)真面目なライブのお話
2階の楽屋(?)から続く扉が開き、中央を通ってメンバーがステージに。ライブ開始……と思いきや、ナルチョ一言。「いーんですか?お母さん。凄くうるさいですよ。そんな席で大丈夫ですか?」――下手最前列にご婦人方が2人、座っていたのを目敏く見つけていきなりの先制攻撃(笑)。このご婦人方が少々後ろの空いていた席に移動したのを確認して(笑)始まった曲はやはりの『GOLD RUSH』。メニューは結局、昨日の小牧と完全に同じ構成でした。まぁ、仕方ないわね(でも『スパイ大作戦のテーマ』、演ってくれなかったのは、悲しかった……リハでは演ってた(らしい)のに)。
しかしこれは完全に違う、MCコーナー。全然関係のない「オーロラ輝子」ネタが蔓延し、肝心の次回ライブ予定・ダイヤモンドホールの話すらすっ飛ぶ始末――いーのかよ、ちゃんとプロモーションしなくて(笑)。花粉症の話が出たら即、投げてあげようと用意していたポケットティッシュも、全然役目を果たさず(笑)。「オーロラ輝子」のCDの売上が40万枚を突破した……という話にナルチョ、「わしらのCDの半分やな」――うそつけ。とにかく本日のナルチョ、「オーロラ輝子」とご婦人方に固執しまくり。相棒と2人、「ありゃ、目が覚めてTVつけたら『ふたりっ子』のお昼放映だったな」。ほーら、否定できまい(笑)。
そんなオバチャンな会話(笑)を最前列、上手端っこ難波氏ど真ん前で眺めていたら、隣席のリュックサックのガメラさんの上に人影が!「一度この会話、客席でみてみたかったんだよね……」とカメさんを潰した犯人は是方センセイ。またもや目が点……。まぁすぐ、「お前、そんなとこで何しとんねん」と、ステージの上に呼び戻されてはおりましたが。しかしびびった……(因みにカメさんの飼主(笑)はナルチョファン一味の1人。彼女、「喜んでいいんだか悲しいんでいいんだか……」と複雑な表情を浮かべておりました)。
そんな大バカなMCとは打って変わって。曲になると、ホント、音響効果の凄さに唖然……の連続。だって、確かに私たち、最前列にいましたが、力哉さんのドラム、ヘッドショット・モニターの音・そしてアンプの音(下手するとベードラのキック音まで)……と、全て聞き分けられたんですぜ。他のメンバーの音のキレは推して知るべし。是方センセイに至っては、ピッキングの音はおろか、手がネックを移動する
音まで耳に届いた場面も数知れず。その事実だけでも相棒と2人、「来て良かった……」と、カンドーの涙を流しておりました。ホント、あそこまで辿り着いた価値、あった――どころかおつりが来ましたね、これは。こんなナイスな場所がこんな辺鄙な所にあるところがウラメシイ……(笑)あーんど、道楽、おそるべしっ!
そしてこっちも道楽(笑)、『NOW OR EVER』のナルチョ野放し・ベースソロコー
ナー。このホールの客席の構成は両サイドに椅子が並び、通路は中央のみ。さてどーするか……と興味津津でその一瞬を心待ちにする我々。まずは客席に下り立ったナルチョ、下手方向に向かって盛んにアピール(これは、我々の責任大だと思う。何てったってわしら&ナルチョファン一味、みんなして上手に固まっていたから。MCの反応(ヤジ飛ばし……ともいう)、上手方面からばかりだったし)。特に、真ん中辺りの通路脇にいた金髪・細眉少年の前で絶好調状態。彼の無表情が凄く印象的でした(多分、唖然としていただけだと思う)。そして後方、どんづまりまで行ってから戻ってきた手段は……『必殺・椅子渡り』!上手方向の空いている椅子に上り、それを伝ってステージまで戻ってくるというヤツ。その怖さといったら……流石のナルチョも一度、バランスを崩して「あわや……」の一瞬もあった程。マジでひやっとしましたぜ。実は昨日、『必殺・テーブル渡り』を見てて「明日、『土足厳禁』の札でも持ってこようか」と言っていたわしら、「やっぱ作って持ってくるべきだったよな……」と呟いたのでありました。
どーでもよいあれこれ話その2
無事に(?)ライブも終了し、入口で是方センセイが営業に励んでいるのを横目に外へ出た我々、おとなしくメンバーの退出を待っていたのでありました。目の前には見覚えのある白のおベンツ様。地元だから……ということで引っ張り出されたナルチョファン一味の妹さん、すっかり力哉さんのファンになってしまったようで、それを見るだけでうっとり……。可愛いものです。
そんな彼女をからかっていたら力哉さん登場。「お疲れさまでしたー」の我々の声に「おう!」とお茶目に返し、トランクを明けてガサゴソした挙げ句「忘れ物が……」とひょこひょこ駆け戻って行く姿はタダのオヤジ(笑)。彼女一言。「現実とのギャップに今、戦ってる……」――さもありなん。そして戻ってきた力哉さん、ベンツのアクセル踏むと同時に我々に向かって「Good-Night, Honey!」。最後までカッコ良いんだかタダのヘンなヒトなのか……。
「はぁ……っ」と脱力した我々の道の向こうで、白いワゴン車が1台、通り過ぎてゆき――「ねぇ、あれ、他のメンバーじゃない?」「しまった!もう1つ、通路があるの、忘れてた!」。慌ててホール入口に戻って見たら案の定、他のメンバーの姿はどこにもなく、やはり、先刻のワゴン車が力哉さん以外のメンバーの移動車だったらしい。「ちっくしょー!やられたぜっ!」「大丈夫?名古屋方面の最終、あともう20分ないよ」「うげげっ!頼むっ!」「そんな殺生な……いー加減にしてくれよ」――結局、前日と同様、またもやバタバタと、帰途につくわしらでありました。
あー……ダイヤモンドホールが、恋しいよぉぉぉ……。
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